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君と見る景色【ヒロアカ】【短編】

第21章 ダイエット





『もちろん。』

轟「の質量が増しただけなのにか?が増えたみたいで俺は嬉しいけどな。」


などと意味不明なことを言えば机を挟み対面に居た彼はのそのそと私の隣に移動する。
いつも以上に不可解な行動に私は反応が遅れた。






『んっ………!?ちょっ、………ん……焦凍!?』


気付いた時に視界に入ったのはドアップの端正な顔。
徐々に唇を奪われていることを理解し、私に馬乗りになっている焦凍を退かそうとするがビクともしない。


轟「………………っはぁ。止まらねぇ。」


そう呟いた彼の顔はすっかり熱を帯びていた。
すぐにまた私へキスを繰り返す。
優しく触れるようなキスは啄むものに変わり気付けば舌が口内を蹂躙していた。
それはしばらく続き、顔を上げた彼は前髪をかき上げ色気を撒き散らす。



轟「俺もダイエットに付き合う。」


食事制限を一緒にしてくれるの?
なんてこのタイミングで惚けられるほど純粋ではない私は言葉の意味を即座に理解した。


『いやっ、ほらっ、それは申し訳ないし明日戦闘訓練あるし体力温存しとこ!?ね!?疲れちゃうよ!』

轟「そんな倦怠感、褒美でしかねぇ。」


再び深い口づけを始めた焦凍に内心かなり焦る。
何度身体を押し返しても流石は男の子。
ビクともしない。
そうこうしてる間に唇は耳や首を這っていた。


轟「………っはぁ。可愛い。」


見下ろす彼の獰猛な目つきに背筋が凍った。
彼が嫌いな訳じゃない。
ただ恋愛的で好きな訳でもない。
相手の好意をおざなりにしてきた私が悪いのだ。


轟「悪ぃ…………。」


突然そう呟いた焦凍は私を起き上がらせ優しく抱き締めてくれた。


轟「泣かせるつもりは無かった。怖がらせてすまねぇ。」


涙を拭ってくれた彼の目はいつもの穏やかさを取り戻していた。
いつのまに自分は泣いていたのか。
卑怯な女になってしまったものだと自嘲した私は焦凍の背中に手を伸ばした。



END
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