第16章 俺の癖
緑「轟君、最近よく考え込んでるよね?僕でよければ話を聞くよ。」
今日は無口だなと思っていたら話の糸口を考えていたのか。
本当にお人好しだな。
だが俺は素直にその好意に甘えることにした。
轟「俺は我儘なんだ。」
緑「(随分急だなぁ。)どうしてそう思うの?」
轟「前はから好かれたいと思ってた。………いや、今もそれは変わってねぇ。けどそれよりも俺なしじゃ生きていけなくなっちまえって思う方が勝るんだ。」
緑「それはサイドキックとかそういう話じゃなさそうだね。」
轟「違ぇ。何をしていても何処に行っても俺を思い出して欲しい。なぁ……これって変か?」
特定の人をこんなにも求めたことが無い俺はこの気持ちが普通か異常なのかは分からない。
まぁ異常と言われても止めれる気はしないが。
緑「そうだね……。そもそも普通ってなんなんだ?誰かに自分のことを思い出して欲しいのは当たり前だ。好きな人なら尚更。だけど相手に強要するのは異常?でもこの場合強要じゃなくそう仕向けるってことなのか?ブツブツ……………。」
すっかり自分の世界に入り込んでいる緑谷になぁ、と話しかけると肩を揺らした。