第16章 俺の癖
はぁ、と最近癖になっている溜息を吐く。
ふと周囲を見渡せばたくさん居たはずのクラスメイトは下校し、自分一人だけが広い教室に佇んでいた。
どのくらい時間が経ったのか。
帰る準備をする為立ち上がった途端、固まっていた関節が悲鳴を上げるくらいには。
ゆっくりと支度を進めていると閉まっていた扉がガラリと音を立てた。
緑「あれ?轟くんまだ残ってたの?」
轟「あぁ。緑谷は?」
緑「僕は課題で使う教科書忘れちゃって…。」
轟「そうか。」
照れくさそうに頭をかいた緑谷と、どうせならと一緒に寮に帰ることにした。