第15章 個性にもほどがある
という訳で放課後、私はB組の教室へ足を運んだ。
理由はもちろん鍵を返してもらう為に。
HRはとっくに終わり教室に居る生徒もまばらだ。
話に夢中な子や勉強をしている子の中に見覚えのある顔を見つけた。
『物間寧人君。』
物「!?………なんで君がここに?誰の許可を得て教室に入ってきてるのかな?」
『鍵返してくれない?』
物「あれれー?A組は人にものを頼む態度も知らないのかなぁ?」
『拾ってくれてどうもありがとう。』
物「君の後ろを歩いていたらたまたま落ちるところを見かけてね。拾ったのが僕でラッキーだったね!」
『うん。そうだね。物間寧人君とは一度話してみたかったし。』
物「……………え?」
日誌を書いていた手を止めた彼はパチクリと瞬きを繰り返した。
物「……そうやって僕を陥れようとしてるんだね!さすがA組。やり口が汚いね!」
『交番に財布届けたり、ショッピングモールで迷子になった子と親探しした「なっ、何で知ってるんだ!?」』
その様子はまるで百面相。
コロコロと変わる表情にクスリと笑う。
『物間寧人君イケメンだからね。目立つもん。それに体育祭のとき凄く印象深かったし。』
物「つまりは僕のストーカー?」
『違うわ!!!たまたま居合わせただけね!?』