第15章 個性にもほどがある
?「ねぇ、君。A組だよね?」
唐突に背後から投げかけられた問いに誰かと思い振り向けば、B組のタレ目君だった。
『そうだよ。君はタレ目君だねぇ。』
物「あれれー!?A組なのに人の名前も覚えられないのかな?僕は物間寧人だよ。と言っても以後宜しくする気はないけれどね!」
『物間寧人君ね。で、何か用?』
以後宜しくする気がないのなら名乗る必要もないのでは?
という言葉を飲み込み手短に話を切り上げようと試みるも、
物「恩人に対してその態度はどうなのかな!やはり野蛮な輩と居ると悪影響だ。」
『えぇっと……。』
話が進まない状況に困っていると、ポニーテールの女の子がやってきて物間君に手刀を落とした。
拳「ごめんね〜。こいつ悪い奴ではないんだけどね!貴女が鍵を落としたのを見かけて追いかけてきたんだ。」
『なるほど。それで恩人って訳か。』
拳「どうせ恩着せがましい事言ってたんでしょ?……あ!アタシは拳藤一佳!よろしくね。」
『私はです。よろしく。』
拳「うんうん!じゃあまたねー。ほら、行くよ!」
首根っこを掴まれ回収される物間寧人君にも一応手を振っておく。
『………………いや、鍵は?』