第14章 近くて遠い
上鳴side
さっきから口数少ないけど俺なんかしたか?
腹が痛いわけでもなさそうだし…。
やっぱ俺とのデートつまんねーのかな。
思わず繋いでいた手に力が入る。
それに気付いたの肩が跳ねた。
思わず彼女を矯めると視界に入るのは紅く染まった頬。
一瞬チークかと考えたがにしても紅い。
もしかすると……などと都合のいい考えが頭をよぎる。
本当に男ってやつは、と静かに自嘲した。
上「おー、浮いてる浮いてる!俺もクラゲになりてぇー!」
『電気クラゲ?』
『見て!茶色い子がいる!…………へー、ペンギンの雛って茶色くてふさふさしてるんだ。』
上「泳いだ後乾かすの大変そうだな。」
『あ、蟹だ!美味しそう。』
上「さすがに水族館でその発言はやべーって!」
『お魚食べたいね?』
上「お前サイコパスだわ。」