第1章 恋煩い
授業も終わり待ちに待った昼休み。
財布を持って席を立とうとすれば目の前にはツンツン頭の爆豪君が立ち塞がっていた。
『ん?どうしたの?』
爆「ア゛ァ!?昼飯に決まってんだろうがアホ女!!行くぞ!!」
返事も聞かずに手首を掴み強引に食堂へ連行される。
態度こそ強引であれどその手に籠る力は優しい。
『うん。優しいとは思ったけどさ、この状況何?』
食堂に着きそれぞれの分のご飯を持ったところでぶっきらぼうにこっちだ、と席へと案内された席は、右隣には爆豪君。更にその隣は切島君。
左隣に上鳴君。
前には左からお茶子ちゃん、緑谷君、轟君が座っている。
『確実にこれ尋問始まる席順だよね。』
轟「尋問?俺らはただに聞きたいことがあるだけだ。」
『すでに威圧感が半端ないって!!』
麗「で、ちゃんの好きな人って誰なん!?」
『え?』
好きな人、とは?
この場合友達じゃなくて恋愛の意味だろう。
確実に何かを勘違いしてる。
『私好きな人なんかいないよ?』
爆「テメェ、正直に吐けや!!!どこのどいつだよ!俺がブチ殺す!!」
切「落ち着け爆豪!まずは誰か聞いてからだ!」
いやいや、そこは全力で止めてよ切島君。
そしてお茶子ちゃん。
いつもに増して前のめりじゃないかい?
ご飯に髪の毛付いちゃうよ?
麗「じゃあ気になる人は!?」
『え、気になる人?うーーん…………相澤先生かな?』
一同「「………ッ!!?」」
食生活とか生態が凄く謎だよね、相澤先生。
何に対しても深入りはしない感じだけど熱中することとかあるのかな。
『うん……気になる。』
上「まさか相澤先生とは……。そりゃ俺に靡かねーはずだわ。」
爆「アホ面は論外に決まってんだろ!!!」
男性陣のみ何故かお通夜のような雰囲気になってしまった中で、お茶子ちゃんは鼻息を荒くしていた。
麗「禁断の恋!素敵やわぁ……。」
あ、ダメだ。お茶子ちゃんが棺桶に入ってた。