第1章 秘事は睫
公爵は突如ユリアの身体に跨り、足を開かせた。
「こ、公爵!!おやめください!!どうか・・・どうかお慈悲を!!!」
公爵はユリアの懇願を無視してエルヴィンに言う。
「エルヴィン、今年残りの壁外調査はあと何回だ?」
「・・・今年の壁外調査は2回です」
「よし分かった。その壁外調査の資金は全て私が負担してやろう。予定外のものも含め全てだ。何なら兵士の武器や兵服を新調してもいい」
「それは大変魅力的ですが・・・お気持ちだけ頂戴致します」
「そうか。ならば仕方が無いが・・・明日から調査兵団内で原因不明の事故が多発するかもしれないなあ?んん?エルヴィンよ。確か慢性的な人員不足、だったか?」
エルヴィンはその言葉で黙った。ユリアにはエルヴィンの表情が見えず、時たま足を閉じようとしては公爵の力で開かれることを繰り返し、ひたすら涙を流した。
すると足元から布の擦れる音が聞こえ、床に落とされた音がした。次にベッドが揺れると、公爵がゆっくりとユリアの上から退いた。
揺れるベッドに確認したのは、胸元のベルトを緩める調査兵団団長。
彼は不本意な表情のままユリアに覆いかぶさり、ユリアの顎を少し支えるように持って唇にキスを落とした。