• テキストサイズ

エルヴィン裏作品集

第7章 あなたと共に



こんな事態になってしまった原因、つまりこうなってしまったのは自分が妊娠しないせい。そしてたまたまエルヴィンを見ているところを姑に目撃され、色目を使っていると言われた挙句、罰としてここに閉じ込められたこと。

また涙が溢れ出し、ハンカチで拭う。その間もエルヴィンは優しく肩を撫でたまま聞いてくれた。

「や、っぱり、私は……死ぬべきなんだ……」

「……それは違う」

エルヴィンの力強い声にユリアはエルヴィンを見る。

「妊娠しないのがあなた自身はどうなのかは分からないが、あなただけのせいという事は無い」

「……何故わかるの」

「……旦那様は……自分に種がない事を知っている。そして、あなたを閉じこめた大奥様も。あなた以外のこの家にいる者は全員、知っている」

噂好きのメイドが姑がつい零したのを従者へ話してしまい、そこから話は皆に伝わったらしい。

「……じゃあ……待って……私の家は……」

「どうにせよ、あなたのご実家を破綻させるのが狙いでしょう。従者が事実を話さないのも口止めされているからかと」

「そんな……そんな……じゃあ……」

事実を知り、ユリアは絶望した。あの日々は、毎日毎日、憂鬱だと感じるあの行為は。

「全て……無駄だったんだ……」

ユリアは涙を流して、エルヴィンに頭を預けた。

「……奥様?」

「……エルヴィン、私を……抱いて」



/ 308ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp