第7章 あなたと共に
こんな事態になってしまった原因、つまりこうなってしまったのは自分が妊娠しないせい。そしてたまたまエルヴィンを見ているところを姑に目撃され、色目を使っていると言われた挙句、罰としてここに閉じ込められたこと。
また涙が溢れ出し、ハンカチで拭う。その間もエルヴィンは優しく肩を撫でたまま聞いてくれた。
「や、っぱり、私は……死ぬべきなんだ……」
「……それは違う」
エルヴィンの力強い声にユリアはエルヴィンを見る。
「妊娠しないのがあなた自身はどうなのかは分からないが、あなただけのせいという事は無い」
「……何故わかるの」
「……旦那様は……自分に種がない事を知っている。そして、あなたを閉じこめた大奥様も。あなた以外のこの家にいる者は全員、知っている」
噂好きのメイドが姑がつい零したのを従者へ話してしまい、そこから話は皆に伝わったらしい。
「……じゃあ……待って……私の家は……」
「どうにせよ、あなたのご実家を破綻させるのが狙いでしょう。従者が事実を話さないのも口止めされているからかと」
「そんな……そんな……じゃあ……」
事実を知り、ユリアは絶望した。あの日々は、毎日毎日、憂鬱だと感じるあの行為は。
「全て……無駄だったんだ……」
ユリアは涙を流して、エルヴィンに頭を預けた。
「……奥様?」
「……エルヴィン、私を……抱いて」