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エルヴィン裏作品集

第6章 歪んだ二人の向かう先




ユリアが20歳の時。
類まれなる才の持ち主であった為、中央第一憲兵団の幹部の護衛に大抜擢された。


憲兵団に入団し、真面目に勤めて6年。何不自由無い生活。だがユリアは、刺激が欲しいと思うようになっていた。いっその事、毎日が刺激まみれの調査兵団に行ってもいいのだが甘い蜜を吸ってしまった今、ここの生活がやめられない。

そんな毎日を過ごしていたユリアが大抜擢後、最初に任された任務は護衛、ではなかった。

「わ、私には出来ません、人を痛め付けるなど……」

「いいからやれ。これからはこれがお前の“仕事”だ」

中央第一憲兵団での、最初の任務。それは人体への拷問。
中央第一憲兵団の古株であるジェル・サネスに、ユリアは真っ赤になった鉄の棒を渡される。

やめろと叫ぶ相手を見る。

「……やはり自分には……」

「そうか。……お前の代わりはいくらでも居る。それだけは言っておくぞ」

サネスは、鉄の棒をユリアの手から取った。
そのまま迷い無く拘束された男に鉄の棒を押し当てた。何度も何度も、だ。金切り声が牢に響き、ユリアは目眩がした。

その原因は目の前で繰り広げられる残酷な行為のせい。
そのことに間違いはない。だがユリアは感じたことの無いほどに、酷く昂っていた。



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