第18章 懺 悔
声が出ない。椅子から立ち上がり、後退りして壁に背を預けるが、神父は笑いながら近付き、ユリアの顔に手を当てた。
「ひっ……」
「ああ、なんということだ。神は本当に居るらしい」
頬をスリスリと撫でられていたが、突然唇にキスをされる。
「んむっ!?」
「ずっと……焦がれていたよ、あの日から」
「神父……様、嫌、やだ、いやあ!!」
「拒めば、天罰が下るかもしれないな……?」
この神父は、あの日の男だったんだ。ユリアは声が出ないまま涙を流していた。
「ユリア、私を名前で呼びなさい」
「や……」
「エルヴィン、と、ほら」
エルヴィンと名乗った神父は、ユリアの胸を揉みながら首筋に舌を這わせ、耳を甘噛みした。嫌なのに、あんなに憎んだ相手と、また。
「呼びなさい」
耳に響いた低く甘い声に勝手に吐息が漏れ、思わぬ事に口を塞いだ。
「可愛らしい声だ、少し会わない間にメスになったらしい。あの男とはセックスしたのか?……まあ、この様子じゃあまだだろうな」
エルヴィンは耳元で話しながら、ユリアのシャツのボタンを開けていく。
「私が、天にも昇るような快楽を教えてあげよう。私の罪は一年前、それを教えられなかったこと。君に本当の快楽を教えることこそが、私の償いだ」
余りの恐怖に身震いをした。シャツが脱がされ、肩や頬、唇、とにかく色々な場所を噛まれた。痛みを感じる強さや、感じない程度のもの様々な強さで。