第15章 消失
「やはり彼女はお前には勿体ないよ、ミケ」
それを聞いて無意識に殴り飛ばす。血が飛ぼうが、指やエルヴィンの鼻が折れようが関係無い。
前世でも、エルヴィンに対してこんなにも激昴した事は無い。
初めて殴った、初めて怒鳴った。今世でもそうだ。
コイツは記憶が蘇る前から出来た奴で、行儀なんかもダメと言えば直ぐに覚えた。
そんな奴を今、息子としてではなく、男として殴り飛ばしている。
「やっ……!!止めて!ミケ!!」
いつの間にか出てきたユリア。ぐったりと横たわるエルヴィンはユリアをじっと見ている。
動きを止めた俺を抱き締めながら、ユリアは泣いていた。
それをゆっくり退けて、着ているコートを剥ぐ。
中に着ていたスーツはぐしゃぐしゃにされ、シャツは破れてボタンが無い。タイトスカートを捲れば、ストッキングが破れて股の部分は無くなっている。
「……このスーツは、お前が選んでくれたとユリアが喜んでいたものだ。お前は本当に“親不孝者”だ、エルヴィン」
俺は言い放った。ユリアを引き寄せて、精液の臭いでむせそうな場所に、先程から痛い程に腫れているモノをあてがった。
「み……け……?」
不安げなユリアが名前を呼ぶのも無視して、エルヴィンの前で夫婦のセックスを見せた。これが牽制になる訳ないが、俺の本能がそうしろ、と言った。
息子に散々弄り回されたユリアは絶頂が止まらない。
それからエルヴィンをリビングに放置したまま夫婦の寝室へ戻り、セックスした。