第15章 消失
意地でも声は出さない様にと、自分のスーツの襟を噛む。部屋には二人の呼吸と肌のぶつかる音が響く。
律動が止まり、ゆっくりとスムーズにへそ側の膣壁が擦られる。だが奥に辿り着く時には強く押し込むように。押し潰されて苦しい。襟を噛んでいては息が出来ない。
「っあ"!はあ"っ、あ"!!」
苦しさに堪らず息を吸うと、気が抜けて声が出てしまう。ゾクゾクとして、尻の穴がヒクヒクするのが分かる。
駄目。息子だよ。相手は。
理性はそう言ってくるし、分かっている。
だけど、何故か、身体が異常に感じているし、既に何度かイきかけている。まだ理性が勝っている。当たり前だ。私の中で、この親子関係は絶対なのだから。
「ユリア、意識して。ほら。グチャグチャになって、俺は正直チンコに感覚がない」
チンコ、って言うの?大きくなって今までそんなこと言わなかったくせに……
「どうしてだろうな?レイプされて濡れるのは膣を無理に犯されて怪我をしない為らしい。だけど……優しく犯されて濡れるのは何故だと思う?」
あ、駄目、そんな事言わないで。嫌、駄目駄目駄目、キちゃ……
頭で必死に止めたが、理性より先に身体は素直な反応を息子に見せてしまった。
動いてもいないモノを締め付けながら、達してしまった。
挿入っているだけの息子のおちんちんで、私はイッた。
「あれ、イッたのか。確かに前戯をしなくともたったこれだけで気持ちよくなれるなら前戯は不要だったな。分かってやれずにすまなかった」
汗が滲む首筋をエルヴィンが舐めた。
「ぇ、う、お願いっ、します……、も、止めて、下さい」
駄目だ、背徳感、絶望、母親失格だという負の感情で涙が止まらない。
再びエルヴィンに懇願すると、膣から圧迫感は消えた。ホッとしたのも束の間。腕をひかれてベッドに投げられると、キスをされながら服を脱ぐエルヴィンに覆われて逃げられぬ様にされた。
必死に顔を避けるが酷く、強く掴まれてキスをされる。
離れたエルヴィン。
「口を開けて」
と短く言った。服を脱ぐのを見ながら私は従う。
「飲め」
出された舌からはキラリと光る唾液。
思わず口を閉じれば、唇に少し冷えた唾液が垂れた。
完全に服を取り払ったエルヴィン。また顔を掴んできて静かに言った。
「飲め。ミケにバラされたいのか」