第14章 【合同夢】宅飲み
エルヴィンの目を見つめたまま扱いている手を早める。
「ね、今日はダメ?」
「……何がだ」
「私にもしていいから」
「それは俺だって当たり前、に……する、が……」
「……が?」
エルヴィンが躊躇う理由。それは鍵の付いた棚の引き出しの中にあった。
「ふふ、気持ち良すぎるから躊躇してるの?」
扱かれ、我慢汁の止まらぬモノを凝視するエルヴィンの耳元で囁けば、気の抜けた声が漏れる。
「エルヴィン“も”おちんちん欲しいでしょ?」
「……酔い過ぎだ、」
「ううん、言ったでしょ?むしろ凄く気分がいい、って」
「答えになってない、それが酔っていると……う、く……っ、イく……」
手を止めた。簡単にはイかせない。何故って、エルヴィンはまだ全然素直じゃないから。私は立ち上がって棚に向かった。こうなれば強硬手段だ。
「頼むユリア、今日は俺“が”抱きたい」
そう言うエルヴィンを振り返りながら見つめ、棚の上にあるアクセサリー置き場にある鍵を手にして、棚の鍵を解錠した。
中にあるのは黒い革のベルトと柔らかいシリコン製のディルド。そしてコンドーム。
私の子宮が疼いた。
手にしてエルヴィンを見れば、少し睨んだような顔をしている。
「……嫌なの……?」
「ああ、今日は嫌だ」
「嫌い?」
何が嫌いかは聞いていないけど、エルヴィンは黙った。“私のことが嫌い”なのか、“今からすることが嫌い”なのか。その答えに迷っているんだ。
「私は大好きだよ」
「……それはどちらの話だ」
「ふふ、どっちも」
私は、エルヴィンを抱きたい。
モノが生えていない事をこんなに悔やんだことは無かった。邪魔じゃないのかな、なんて思うくらいだったのに。