第14章 【合同夢】宅飲み
「あ〜美味しい!」
「ユリアは本当にそのスパークリングワインが好きだな」
「うん、だって甘くて飲みやすいんだもん。エルヴィンは1杯目からウィスキーのロックでしょ?ほんとに強いよね」
「体格的に呑める量が多いだけで、特に強くはないさ」
そう言ってエルヴィンはグラスを口に運ぶ。ゴクリと喉を鳴らして飲んだ後、グラスの中身は3分の1程減っていた。
隣合って座る私達。時たまエルヴィンの肩に頭を乗せたり、その逆に頭にエルヴィンが寄りかかって来たりしたり、甘い雰囲気の中でお酒はどんどん進んでいった。
ある女性社員と上司の関係が怪しいという噂話だったり、最近見つけたダイエットの方法だったり、最近気になる居酒屋さんの話をした。エルヴィンはというとそれをただうんうん、と聞いてくれた。
「なあ、少しペースが早いんじゃないか」
「えぇ?んん……そう、かな?楽しくてついね」
話しながらエルヴィンはキッチンに向かった。
「飲みやすい酒だからってガブガブ飲むんじゃない。そうだ、君もウィスキーにしてみればいい」
「えー!?」
「早飲み防止にもなる。ただ強いから本当に」
エルヴィンの言いたい事は聞かなくても分かる。「うん」と返事をしてエルヴィンのグラスにある、新しく注いだばかりのウィスキーを一気に飲んだ。ウィスキーの強いアルコールが喉を通り過ぎて胃も食道も熱くなる。エルヴィンを見れば、別のグラスに氷を入れて唖然として固まっていた。
「っあっつ……お腹ぁ!」
「馬鹿……!話を聞いていなかったろ」
「ほら、水だ」と、エルヴィンが水を手渡してきた。ウィスキーは飲み慣れない。何せいつも甘い酒ばかりを飲んでいる。エルヴィンがごくごく飲むものだから……大丈夫かと。