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エルヴィン裏作品集

第13章 【合同夢】冬の夫婦の一日



朝は今日一日の予定なんかを話しながら食事をするのだが、今日はエルヴィンが久し振りに何も予定がない日。ゆっくりして欲しいな、と思ったが朝はいつも通りに起こして欲しいと頼まれた。
結局何か用事でもあったのか?なんて考えつつお味噌汁を飲むと、お腹が暖かくなって心も温まる。

「今日も美味しいよ」
「……へ?ああ、ありがと」

エルヴィンは必ず料理を褒めてくれるから作り甲斐がある。私は嬉しくなってエルヴィンが料理を口に運ぶ様子をただ見つめながらご飯を食べる。

「今日は家でゆっくりするよ。ユリアは何か予定がある?」
「無いよ」
「そうか。じゃあ久し振りに二人きりでゆっくりできるな」

ドキドキした。本当に久し振りだ。夫婦なのだからエルヴィンと二人きりは当たり前、なのに。
目が合って「ん?」と首を傾げた彼に微笑んで見せると優しく笑い返してくれた。
そう、これでいい。充分幸せじゃないか。私は甘い卵焼きがどんどん減っていくエルヴィンに「卵焼きいる?」と言って少し分けた。

さて、食べたら家事だ。エルヴィンが居るからちょっとなんか……気合が入る。私は食後に少しエルヴィンとお茶を飲みながら休み、家事に取り掛かった。

朝食の洗い物を済ませてから掃除を始める。棚の上の埃を落として床の埃とともに掃除機で吸い取る。リビングから初めて各部屋を手早く、だけどしっかりと念入りに掃除をした。
途中でエルヴィンが「俺も一緒にやるよ」と声を掛けてくれたけど、いいからゆっくりしててと言って無理やりリビングのソファに座らせてしまった。
普段仕事以外にも何かと忙しい旦那様だ。予定のない今日は存分に羽根を伸ばしていて欲しい。
掃除機の騒音に紛れて、エルヴィンが時々覗きにくる気配を感じた。その度に、いいから休んでてと手で示すと、渋々といった様子でリビングに戻っていく姿がなんだかとても可愛らしかった。

「ふう、終わった〜」

時計を見れば10時を回っていた。あとはトイレ掃除とお風呂掃除。今日は天気がいいから早朝に干した洗濯物が早くも乾いているかもしれない。取り込めるものは取り込んで、空いたスペースに別のなにかを洗って干そうかな、なんて思考を巡らせているとエルヴィンに声をかけられた。

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