第12章 ごめんなさい。②
エルヴィンやミケからは毎日誘いのLINEが舞い込んだ。「君が欲しい」なんて甘い言葉付きで。
「私だって欲しいよ」と口に出して返事はせずにスタンプで返事した。なるべく素っ気なく。なんだか悪い気もしたし、関係が終わらないか不安にもなったがそんな気配は全くない。もしかしたらお仕置きなんてものは端から無いのかもしれない。
ただ、期待した分身体も素直に彼らを欲したし、物凄く激しい自慰だってしたかったが、イかずに我慢した。アレの形をした玩具を自分で腰を振りながら出し入れして、達する寸前で自慰自体をやめる。それを繰り返して終了。
そんな日々を過ごしていると、エルヴィンに「週初めに会えないか?」といった内容のメッセージがきて、ユリアは会う約束をした。その日は夫が帰宅する前日。時刻は午前11時で、ホテルを予約しているとの事だった。
約束当日。到着してフロントに向かい、部屋を聞いて向かった。
部屋をノックして待っていると、ドアが開いて腕を掴まれた。そのままキスをされる。相手はエルヴィンだった。部屋のオートロックのドアが音を立てて閉まった。
絡み合う舌、行き場を無くした唾液が口の端から垂れた。
唇を甘噛みされる。ぬる、と歯から滑って離れ、漸く言葉を交わした。
「嫌われたかと思ったよ」
「な、そんな訳ないじゃないですか」
「会いたくて仕方がなかった」
「私も」
その返事に「本当か?」と言われながら中に入ると、ミケがこちらに背を向けてベッドに横になっていた。