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エルヴィン裏作品集

第11章 契約者



そこから二人は体勢を変え、何度も求め合った。

ユリアの歳には全く満たない赤子も同然の人間に鳴き狂わされ、その夜は悪魔のユリアも少しだけエルヴィンの将来が楽しみであり怖くなったのであった。

そして17歳になる頃。エルヴィンはユリアの身長もゆうに越え、ユリアからの厳しい指導で体も鍛えられていた。この年、エルヴィンは目指していた訓練兵団に入団。調査兵団を志したのである。

20歳になる年。成績上位で訓練兵団を卒業、エルヴィンが調査兵団に入ってからはユリアは裏口入団し、同期になりすまして過ごした。


ある日、新兵だったエルヴィンが先輩女兵士に「可愛いから抱いてあげる」と言われて逆に抱いてやっていた時は何故かおかしくて笑いが出た。姿を消して近くで見守ってやったがなかなか様になっていて、少しだけ女に嫉妬した、少しだけだ。

後にエルヴィンに「お前と以外ではぬるま湯を張った器で抜こうとしているようで全く気持ち良くない。だからセックス中横で俺に見えるように自慰してくれないか」と頼まれ、そうした。そのお陰かかなり良くなってしまうらしく(女が)、エルヴィンは兵団一の色男になった。



そうこうしながら、エルヴィンは持ち前の能力を発揮しながら生き、ユリアはエルヴィンと共に日々を過ごした。人間らしく立体機動を使い、一人になった時には巨人は人間でないユリアには反応しないので余裕で生き残った。

エルヴィンが分隊長、そして団長に昇格してからは、お偉い方の不正の証拠を集めたり、エルヴィンの秘書として動いた。

変に鼻の利く部下には「団長と秘書以上の特別な関係があるだろう」と言われ、エルヴィンが目を付けたチビの生意気なガキには「エルヴィンの犬」だと言われた。

何とでも言え。私は必ずエルヴィンを手に入れる。
その為には自己犠牲をも厭わない。

エルヴィンと結ばれるはずだった酒場の女を別の男と結ばせた、それさえも何も感じなかった。当たり前だ。エルヴィンに幸せな人生など歩める訳がない。悪魔と契約するというのは、すなわちそういう事だ。

夢の為。ならば仕方の無い事。

そうでしょう、エルヴィン。

ユリアは魂の回収に使用する、悪魔が手にするには美しすぎる瓶に最後の魂を入れ終わると瓶の蓋を閉めた。瓶は魂で赤黒い色を放っている。


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