第10章 性的趣向 ②
話の筋が全く通っていないが、変態さに慣れてきてしまっているユリアは二つ返事で了承した。
「部屋を暖かくするから、料理の時も着ていて欲しい」
「ん、分かった……でもコレ……もしかしてサンタさん……?」
「そうだ。どこからどうみてもサンタさんだろう」
「最初見た時、ただの飾りか何かだと思ったよ……」
ユリアは靴を脱いで部屋に上がり、食材やケーキをキッチンにある調理スペースに置いた。
さて、と着替え始めるが、妙に静かだと思い振り向くと、エルヴィンがしゃがんでユリアを見上げていた。
「……え、見るの?」
「あ、そうか」
一度キッチンから部屋に行き、カメラを手に戻って来たが、カメラをいじって棚の上に置いた。
「盗撮風だ。後で編集して盗撮しているみたいにして個人的に楽しむ」
「……ね、本当馬鹿じゃないの……」
ちょっと呆れながら、服を脱ぐ。カメラの画面外にいるエルヴィンは、監督さながらの面持ちでユリアの着替えを見ている。
服や下着を脱ぎ、セクシーなサンタランジェリーを着用する。
真っ赤なサテン生地の布で、レースやファーがついた紐パンと、同じ生地でレース、ファー、リボンがついたブラを着ける。そして後から追加されていたニーハイソックスと、ガーターリングでソックスを留めて、完成。
カメラを止めるエルヴィン。
「これは……カメラを止めるな、と言われなくても止めたくない……」
「つまり良いってこと?」
「当たり前だ。良すぎる、予想以上だ……」
回って、と言われる。エルヴィンの股に目が行く。
あ……もう勃ってる……。ユリアは身体が熱くなるが、エルヴィンの指示通りにその場で一周回る。