第9章 夫婦の在り方
そうやって毎日、まるで日記のように送られるDVD。
内容は日々過激なものになっていく。だが、一向にリヴァイはユリアにモノを挿入する気配はなかった。
時間は過ぎ、年越しは一人で行った。暗い部屋で、大画面のテレビに映し出された最新の妻の様子を見ながら。
「りばいさ……あぁぁイグ……はあぁっ!!」
ユリアの叫びにリヴァイは手を止めた。
今日は散々焦らしている。目隠しをされ、鼻水やヨダレでシーツをぐしょぐしょにしているユリアは、黒いレザーの手枷と首輪が鎖で繋がれたもの、そして棒で固定された足枷を嵌められ、身動きが取れない状態でリヴァイに苛められていた。
「我慢も出来ねぇとは……そんなんだからエルヴィンにも愛想つかされるんじゃねえのか?こんな直ぐアクメキメる女じゃ満足出来ねえだろうからな」
「そ、ん、っな、あぁぁいっ、い"ぐ……っ!!リヴァイ様っ!!」
また手を止めた。
「もう……止めてくれ……」
エルヴィンは画面の前でプレイヤーのリモコンを手にしたまま跪いて呟いた。止めてくれ、といった口とは裏腹に、ズグズグとエルヴィンの男の部分は刺激され、痛い程に腫れ上がっていた。
何度、映像を見る度に自慰をしようとしたか。
不謹慎だと思い、太ももを殴り、画面にいる調教師のリヴァイを睨み、画面の上からユリアを撫でた。
こんなに彼女に触れたいと思ったのはいつ振りだろうか。エルヴィンは自分の身勝手さがユリアにそうさせたのを悔やむ。仕事を理由に毎晩そそくさとベッドに入る。後から来たユリアの、いい香りをさせる髪を撫でると胸の中に収まってきて眠るユリアは、あれで満足していると、仕事だからと分かってセックスを強要しなかったのもあるだろうが、エルヴィンはそれに甘えて性的なスキンシップは取らなかった。
生活や仕事が落ち着いた今、どうやってスキンシップを取ろうかと迷っていた最中、ユリアは調教師と出会い、契約を結んだ。
エルヴィンの落ち度はそこだと、強く自分を責めた。
ユリアが戻って来てくれるなら、俺は何だってする。今まで以上に愛するから、頼む。どうか……
どうか再び俺にチャンスをくれ。
画面の中で「今日はご褒美無しだ」と言われて切ない表情のユリアが映し出されていた。