第8章 痴漢、ダメ、絶対。
【4日目】
痴漢が股を尻に擦り付けてきている。
股の部分が硬い、尋常ではない。
流石に少しだけ恐怖を感じた。痴漢に対して、ではない。コレがエルヴィンなら、エルヴィンのモノなら喜んで受け入れるであろう自分に恐怖した。
痴漢の吐息が聞こえる。ユリアはドアに押し付けられたまま尻のあたりに膨張したモノの形を感じていた。
こんなに頻繁に痴漢に遭うなんて。
あ……そういえば今日、先生の担当教科のテストだ。そう思い出したユリア。エルヴィンの教科は絶対に満点をとる事に徹する。満員電車であろうが、少しの時間にも勉強するのがユリアの中での当たり前。
しかし、今は。
「っん、ふ……」
ああ……欲しい、こんなに毎日焦れったい思いをしている。正直、痴漢相手に欲情してしまっている。
ずっ、ずっ、と股を擦り付けて、徐々にそのスピードが上がっていく痴漢。突然強く擦り付けたと思えば、何度か擦って動きが止まった。
ユリアが降りる駅。ユリアは嫌な予感がしてトイレに走った。
しかしスカートは汚れていなかった。
あの動き、まさか……ね。
ユリアはトイレを出て歩いていると、遠くにエルヴィンを見つけた。
「……センセ……」
ユリアは赤く染まる頬をそのままに、エルヴィンの背中に向かって走り出していた。