第8章 痴漢、ダメ、絶対。
【3日目】
まただ。
満員電車の降り口側。ドアに押し付けられる姿のユリアの尻には手が這わされていた。執拗に、ユリアの尻の肉感を確かめるように揉む。
荒々しい手付きのまま、体の前の方に手がまわる。
「っ……ふ、ん……」
下唇を噛み、耐える。コートのボタンとボタンの間に手が入り込み、制服の上から胸に触れてきた。
痴漢の足がユリアの足の間に入れ込まれ、満員電車だからという理由とは別に身動きが取れず、ひたすらに行為を受け入れた。
いや、正しくは“期待しているから”受け入れた、かもしれない。
荒々しい痴漢の、本能のむき出しになった行為。
それはユリアの性に対しての好奇心を満たすには充分で、次第に“また痴漢に遭いたい”、そんな気持ちがゴプゴプと湧き上がっていた。
この手が、先生なら……いいのに。ユリアはぶるりと身震いをして、また尻の谷間を上下に擦る感覚を感じながら黙って、痴漢の手にエルヴィンを重ねた。