第10章 風 邪 っ ぴ き に ご 用 心
〜 一郎side 〜
名前の手を握り、髪をそっと撫でてやれば薬のせいかすぐに名前は寝た。
手から伝わる熱に、相当辛かったんだろうなと思いながら名前の寝顔を見る。
「……明日には早く良くなるといいな」
その言葉が聞こえているのか否や、名前は一瞬手を握り返してきた。
年上のはずなのに、無邪気で可愛くて…まだ会って間もないのにコイツの事が気になってる俺がいる。
寝顔を見てるとより愛おしく感じちまうな……。
俺は名前の手を恋人繋ぎのように握っては、ベッドに身体を寄せる。
寝てる時にこうゆう事すんのは良くねぇかもしれねぇけど……コイツの寝顔を見てたら我慢できなくなっちまった…。
「……………………ん」
俺は寝ている名前にキスを落とした。
柔らかい熱の篭った唇に、歯止めが効かなくなって唇を挟むようにキスをする。
そして少し半開きの唇に舌で割り込み口内を舌で撫で回す。
もっと名前に触れたくて仕方なかったが、バレて嫌われたりでもしたら元も子もないと思いキスだけで留めた。
「…っ、やべぇな…俺」
やばい事をしている自覚に居た堪れなくなり、俺は名前の家を後にした。