第16章 念願
いや…ごめんて……
そんなに睨まなくても良くない?
私は気まずくなって一郎くんから目を離した。
すると一郎くんは諦めたのか可愛いオムライスを食べ始めた。
……一郎くんの猫耳姿可愛い…
まじで一枚写真撮らせてくれないかな…
でも盗撮したら更にキレられそうだし…勇気出して写真撮らせてって交渉してみようかな…無理かな…
私はそんな事を思いながら一郎くんを見ていれば再び目が合った。
『あ……』
一郎「…なんだよ、ジロジロ見て……」
『いや、その…猫耳姿の一郎くんが可愛いから…お写真撮らせて欲しいな〜…なんて』
本音を零しながら一郎くんをチラっと見れば、心底嫌そうな顔をしている。
一郎「はぁ…まぁいいけどよ。俺にも撮らせろよな」
『…え?いいの!?』
一郎「一枚だけだからな」
『やったー!ありがとう一郎くん!』
私は嬉しすぎて自然と笑顔になれば、すぐさま携帯を一郎くんに向けて写真を撮る。
『あー…一郎くん、似合うね猫耳…!』
一枚と言われたものの、一枚なんて勿体なさすぎてノリで沢山シャッターを切ってしまう。
一郎「お前っ、一枚っつっただろう…」
『いや、ごめん。可愛くて』
一郎「はぁ…なら俺も好き放題撮っていいってことだな」
『いや、私のことは撮ってもつまらないかと…』
そう言ってる間にも一郎くんは私に携帯を向けて何枚も写真を撮り出した。
……いや、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!?