第10章 風 邪 っ ぴ き に ご 用 心
いや、水をかけられただけでこんなに酷くなる…?
はぁ…しんどい……お風呂入ったから悪化した?
酷くなってしまった経緯を探りながらも、ベッドに行く気力も無くてソファーの上で横になる。
ぼーっと天井を見上げながら頭に浮かんだのは入間さんだった。
『何かあったら連絡していいって言ってたけど……』
迷惑かけれないよね……。
明日になっても良くならなかったら先生のところ行こうかな。
『……こうゆう辛い時、症状を軽くする方法あるかも…寂雷先生に聞いてみようかな…』
病院に行くまでまだまだ時間がある。
こうゆうときどうしたら症状が和らぐのか寂雷先生に聞いてみようと思い、私は携帯を手に朦朧とした意識の中寂雷先生に電話をかけた。
呼出音の後、すぐに電話に出てくれた。
『あ、もしもし…夜分遅くにごめんなさい…聞きたいことがあって…』
?「名前か?聞きたいことって、どうした?」
………………あれ?寂雷先生ってこんな声してたっけ…?
なんか違うような………
私は声の違和感に気付き、携帯のディスプレイにある名前を見れば"山田一郎"と言う文字があった。
『あれっ…一郎…くん?』
一郎「そうだけど、聞きたいことってどうしたんだよ急に」
『あっ、ごめん…かけるとこ間違えてたみたい…』
一郎「お、そうだったのか。……つか、声元気ねぇけど…どうかしたのか?」
『えっ…な、なんでもないよ…!』
一郎「息も荒いような気がするけど…大丈夫か?」
私そんなに声に出てる…!?
息荒いとかやばいじゃん…なんかもう恥ずかしさの方が上だ……
でも風邪とか言ったら無駄な心配かけちゃうだろうし…
そう思い黙り込んでいれば、一郎くんが声をかけてくれる。