第10章 風 邪 っ ぴ き に ご 用 心
玄関まで来れば入間さんは私をそっと降ろした。
『あ、ありがとうございました…』
入間「いえ、別に」
私はバッグから鍵を取り出せば玄関を開ける。
チラッと入間さんを見れば、何故か私のことをガン見していて全く帰る気配がない。
……えっ…なになになに…帰らないの?
部屋に入りずらいんだけど…
『えっと…入間さん?』
入間「一人で大丈夫ですか?」
『え?』
入間「いえ、なんでもありません。私は帰るので、何か困ったことがあればいつでも連絡ください」
入間さんはそれだけを言い残して帰っていってしまった。
入間さん…心配してくれたってこと…?
意外と優しいから本当にキュンとするんだよね…
…ここ最近入間さんとか左馬刻さんや理鶯さんに頼りすぎだよね…私。
……嫌がられてないかな…。
心身共に弱っているせいか、柄にでもないことを考えてしまう。
弱気になったらダメ…!
早くゆっくり休んで元気にならなきゃ!
私は怠くて段々熱くなってきた身体を引きづりながら部屋の中へと入った。
『はぁ、なんか段々しんどくなってるような…』
あれからお風呂で温まりリビングでぼーっとしてしまう。
体温計で熱を測れば39.2℃度まで上がってしまっていた。