第9章 何 か が 違 う
女「あのさ、アンタ左馬刻のなんなの?」
相手は私を睨みつけたまま口を開く。
『えっ?私はただの雇われバイトですけど…?』
女「バイトねぇ?本当にそれだけ?」
それだけ…とは?
逆にそれ以外に何があると…?
私は彼女の言葉に頭を悩ませた。
でもそれ自体が気に食わなかったのか私の肩をがっちりと掴み女は私に顔を近づけてきた。
女「左馬刻はね、バイトなんて雇わないのよ…しかも女…」
『あ、いえ…これには深い事情がありまして…』
女「そんなの聞きたくない…!」
いきなり大声を出したかと思えば、勢いよく私をソファーに押し飛ばし頬を思いきりビンタされた。
『いっ…!何するのっ…!?』
女「私だって左馬刻の隣に置いてもらえないのに…なんでアンタみたいなブスが左馬刻の傍で仕事出来んのよ…!まじでムカつく!」
女はバッグから飲みかけの水を取り出し蓋を開ければ私の頭から水を掛けてきた。
『ちょっ、なんなのっ…!やめてっ…!』
感情的になった女の行動にどうすることも出来ずにぎゅっと目を閉じてたえていれば、いきなり手を引かれて誰かに強く抱きしめられた。
ゆっくり目を開くとそこには理鶯さんの姿があった。
理鶯「何をしている」
女「っ…」
理鶯「罪のない人間に嫌がらせとは、醜いな」
女「だって、この女が…!!!」
左馬刻「この女が何だって?」
理鶯さんに続き、目の前には左馬刻さんの姿が。
私を女から庇うように立つ左馬刻さん。
その背中に私はすごくホッとした。
女「さ、左馬刻っ…!ち、違うの…そうゆうつもりじゃ…」
左馬刻「テメェとはもう会わねぇって言ったよな?それなのにノコノコ事務所まで来やがって…挙句の果てに人の女に手を出すってどうゆう用件だ、あ?」
女「人の女って…左馬刻はこんなブスが好きなの…!?」
目の前で繰り広げられる光景に瞬きが止まらない。
人の女ってどうゆうことなんですか左馬刻さん?
私は左馬刻さんの女ではありませんけど……って、そうゆうこと言いふらされるとまた私ターゲットにされるんですけど…!