第9章 何 か が 違 う
雑用させられるのは分かってたけど…、本当に掃除だけでいいのかな…。
事務所もそんなに汚れてないし、私あんまりやることなくない?
『私雇って左馬刻さんお金の無駄なんじゃ…』
テーブルを濡れた布巾で拭きながら色々考えてしまう。
私が働く所なくて悩んでたから無理に雇ってくれた…?
そうだとしたらめちゃくちゃ優しいじゃん…泣ける!
でも…なんか申し訳ない…よね。
一人で色々考えてしまっていれば、事務所の扉を叩く音がした。
?「左馬刻〜、いる〜?」
扉を叩く人物を窓越しに見れば見知らぬ女の人だった。
『…誰だろ』
これは出るべき…?
左馬刻さんに用事みたいだし…用件だけでも聞くべき?
でも左馬刻さんが留守の時に出ていいものか…
?「左馬刻〜!!!出てきてよ〜!」
扉を叩く音が次第に大きくなる。
このままじゃ入口の扉壊されそう…!
そう思えば私は慌てて玄関口に行き扉をそっと開いた。
すると女は不審そうな顔で私を見る。
女「は?アンタ誰?」
『え?えっと…バイトと言いますか…なんとゆうか…。あ、あの…今左馬刻さんは留守にしてまして…』
女「なんで左馬刻がバイトなんて…」
私の言葉に険しい顔になる女性。
え、私何か悪いこと言っちゃった…!?
相手の反応にビクついていれば女は私をキッと睨みつけた。