第9章 何 か が 違 う
銃兎「着きましたよ」
少し歩き、右を曲がればすぐに左馬刻さんの事務所が見えた。
『こんなに近かったんですね…!いやぁ、本当に入間さんにはお世話になりました…感謝です、ありがとうございます!』
銃兎「時間的には間に合いましたね。今日から左馬刻の元で精々頑張ってください。では、私はこれで」
それだけ告げれば入間さんは背を向けて去っていってしまった
そんな入間さんの背中を見送れば慌ててお礼を伝えた。
『あ、入間さん!ありがとうございました…!』
その言葉に振り返ることなく入間さんは仕事へと戻っていった。
そして、少し緊張しながらも私は左馬刻さんの事務所へと足を踏み入れた。
『来るの2回目だけど…緊張するなぁ…』
事務所の階段を上がれば左馬刻さんが居るであろう部屋の前に来ればそっと扉をノックする。
『あ、あの…苗字名前です…!今日からお世話になります…!』
すると中から左馬刻の声が聞こえた。
その声と共に私は扉を開いた。
左馬刻「おう、無事に来たか」
『あ、はい…入間さんに道案内をしてもらいまして…!』
左馬刻「お前のことだからまた迷いそうだしな」
『お、お手数おかけしました…』
左馬刻「とりあえず、俺は出る。お前はこの部屋の掃除でもしておけ。直ぐに戻る」
『え?あ、はい…分かりました』
左馬刻さんはそれだけ伝えて部下たちと事務所を出ていってしまった。