第9章 何 か が 違 う
ー 翌日 ー
『よし…』
今日から左馬刻さんの事務所で働き始める1日目。
緊張してあんまり眠れなかったけど、雑用をこなせばいいだけだし多分何とかなるよね。
雑用係なので動きやすい格好に着替えて鏡で身嗜みを整える。
事務所までの地図を携帯に送ってもらったけど…迷って遅刻したら何言われるか分からないから早めに出ないと。
準備が整えば家を後にし、地図を見る為に携帯を開く。
すると着信が17件も入っている事に気づいた。
『……へ?17件…!?』
いつの間に!?寝てる間に来てたのかな…。
誰からの着信なのかドキドキしながら開いてみると、15件は独歩くんからだった。
残り2件は左馬刻さんからの着信だった。
『あ……、あれから独歩くんに連絡してなかった…やばい…後で連絡しないと…。と、左馬刻さんからも着信来てるけど…何の用だろう?』
とりあえず独歩くんについては後で連絡するにして…左馬刻さんにだけは折り返してみるか。
そう思い私は左馬刻さんに電話を掛けた。
暫く鳴らすと左馬刻さんが電話に出た。
左馬刻「おう、お前か」
『あ、おはようございます…!着信あったのでかけてみたんですけど…何か用事でしたか?』
左馬刻「別に用事はねぇけど…」
用事がないのに掛けてきたんですか…この人。
まだ時間的に業務外なんですけど…。
なんて思いながら電話越しに苦笑いを浮かべていれば左馬刻さんが口を開いた。