第1章 都 会 は 怖 い
『あ、あの、私そろそろ帰らなきゃ…!』
そう言って勢いよく立ち上がれば、未だに銃兎さんと繋がれた手錠が音を立てた
それと共に銃兎さんは私の肩をぐっと下に押し再びソファーへと座らせる
銃兎「遠慮しないでください。理鶯の料理はとても美味なんですよ?それを食べずに帰るなんて、もったいないと思いませんか?」
『いや、でも…』
左馬刻「食ってけって言ってんだ。大人の言うことは黙って聞け、クソガキ」
いや、クソガキって…!
私24歳なんですけど!?
嫌だなぁ、早く開放されたいのに…
なんでこんな怖い人達の前でご飯を食べなきゃいけないの…絶対に喉通らないでしょこれ…!
そう思いながら、どうやってここを抜け出そうか迷っていれば銃兎さんの携帯に電話が掛かってきた
銃兎「はぁ、うるせぇな…ちょっと出てくる」
そう言って、銃兎さんはポケットから手錠の鍵を取り出し自分の腕の方だけ鍵を開け手錠を外した
そして電話に気を取られていたのか、ポケットに戻すはずの鍵をソファーの上に落としていってしまった
『……………………』
あの人鍵落として行ったけど…
これってチャンス…?
手錠外せるチャンスじゃん…!
……でも左馬刻さんが見てるから外せないか…
そんなことを考えながらソファーに落ちてる鍵をガン見していれば、いきなり部屋に怖そうな人が入ってきた
部下「左馬刻さん、下に客が来てるんですけど…通しても?」
左馬刻「あ"ぁ?見てわかんねぇのかテメェはよ?」
部下「ひ、ひぃ…!す、すんません…とりあえず伝えとこうと思って…うぁっ…!」
左馬刻さんはいきなり立ち上がり、部下みたいな人の胸倉を掴んだまま部屋を出ていってしまった
やばい、めちゃくちゃ怖い…
私も胸倉掴まれそう…まじで怖すぎ…
はっ…!左馬刻さんも銃兎さんもいないこの空間…
手錠を外すチャンスじゃん!
やった!私ってばツイてる!!
私は落ちてた鍵を拾い上げ、自分の手首に付いていた手錠を外した