第6章 初 出 勤 は 波 乱
『はい、どうぞ。今あんまり食材ないからこんなものしかできないけど…』
あれから数分、出来上がった炒飯をテーブルへと置いた
すると帝統くんは目を輝かせながらよだれを垂らしている
帝統「うっまそー…!」
『好きなだけ食べていいよ』
帝統「まじかよ…!じゃあ遠慮なく…!!」
嬉しそうに炒飯を黙々と食べ出す帝統くん
その姿は、まるで飼い主に餌を貰った犬のようだった
なんか…可愛い…
母性本能がくすぐるってゆうか…なんとゆうか…
そんなことを考えながら帝統くんの食べっぷりを見ていれば、帝統くんはハッとしたようにこちらを向いた
帝統「ヨコハマ住みってことは、理鶯さんのこと知ってるか!?」
『へ?理鶯さんって……あのサバイバル風の格好した人のこと?』
帝統「そうそう!俺前に、腹減って倒れてるところ助けて貰ってさ!」
『あ、そうだったんだね。理鶯さんいい人そうだもんね』
理鶯さんはまじ天使だった
優しくてイケメンで文句のつけ所がないほど!
この間のお詫びもしたいし、もう一度会いたいけど…いつも左馬刻さんのところに居るのかな?
それだったら行きたくないんだけど…
………いや、待てよ…
帝統くんなら理鶯さんの居場所知ってるかも!
『あのさ、帝統くん?』
帝統「ん?なんだ?」
『理鶯さんの居場所知ってたり…する?』
帝統「おう、知ってる!」
『え、ほんと!?良ければ教えて欲しいんだけど…!』
帝統「あー、でも理鶯さんに口止めされてるからなぁ」
『そこをなんとか…!』
帝統「んー…やっぱり無理だわ。悪ぃな」
全く悪いと思ってなさそうな笑顔で再び炒飯を頬張る帝統くん
まぁ確かに個人情報だし…教える訳にはいかないよね……いつか理鶯さんに会えますようにって神頼みしておこうっと。