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【ヒプマイ】管 轄 世 界【R18】

第6章 初 出 勤 は 波 乱





あれから、失敗もせずに無事に仕事を終えた

幻太郎に言われたことを配慮してキスマーク的なアレに絆創膏を貼っておいたけど…正解だったかもしれない
高収入なだけに結構ハードな仕事だなぁ…なんて思いながら帰る支度を済ませた


『お疲れ様でした』


仕事仲間に一言告げれば私は店から出た

終電なんてとっくに終わってるし、始発を待つ方が早いかもしれない時間帯だけど…とりあえず家に帰りたいから私はタクシーを呼んだ


店の近くでタクシーを待っていれば、何かがチラッと視界に映った


……ん?なんかあそこに誰か倒れてるような…

そう思い私は倒れてる人にそっと近付いてみた


『……あの、大丈夫ですか……?』


そう声をかければ、その人はピクっと動いた


?「……は、腹が……」


『…は、腹?どうかしたんですか…?』


?「は、腹が減った……動けねぇ……」


……………腹が減って動けない人なんて私は初めて見たよ…?何かの童話かな?
このまま放置したらヤバそうだし…とりあえず何か食べさせる?……とは言っても…コンビニまで買いに行ったらタクシー乗り過ごしそうだしなぁ……


『あの…一緒にタクシー乗れます?』


?「た、タクシー?」


『コンビニで何か買ってあげてもいいんですけど、今タクシー呼んじゃって…今日こそは自宅に帰りたいんですよ私…だから何か食べるなら家でご馳走しますけど…どうします?』


?「!…行く!!!」


ご飯をご馳走すると言えば、突然起き上がり食い気味に目をキラキラさせた


『そ、そう?じゃあ一緒に…』


?「おう!どこの誰だか知んねぇけど、ありがとな!」


どこの誰だか分からない男を自宅に連れて帰る私って……でも見殺しに出来ないし…しょうがないよね…


?「俺は有栖川帝統!お前は?」


『え、あ、私は苗字名前』


帝統「へぇ、名前か!俺のことは適当に呼んでくれよな!」


ニッと犬っぽい人懐きの良さそうな笑顔でこちらを見てくる帝統
悪い子ではなさそう、と一瞬でわかる


そんな他愛のない話をしていれば、あっという間にタクシーが来た


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