第6章 初 出 勤 は 波 乱
客「新入りちゃん?可愛いねぇ……」
『あ、えっと…あ、ありがとう、ございます…』
客「緊張しちゃってるのかな?あぁ、可愛いよぉ…」
初めてのお客様だけど、もう既に殴りたい…
お客様は神様…分かってはいるけど、だる絡みしてくる上に手をネチネチ触ってくる時点で一発お見舞したくなる…!
でも我慢…お給料のため…頑張らないと……
既に心が折れそうになっていれば、再びお客様が入ってきた
乱数「ねぇねぇ、名前オネェさんいる?」
この声は……乱数くん!?
うそ…本当に来てくれたんだ……
スタッフ「名前をご指名でよろしいですか?」
乱数「うん!もちろん!名前オネェさんじゃなきゃ僕帰る」
スタッフ「かしこまりました。お席にご案内します」
乱数くんは奥の席へと案内される
そしてスタッフが私の所へと訪れた
スタッフ「名前、初指名だ。8番テーブル」
『え、あ、は、はい!』
私は言われたテーブルに向かえば乱数くんともう一人知らない人が座っていた
『ご、ご指名ありがとうございます…!』
乱数「オネェさん!えへへ、また会えて嬉しい♪隣座って座って!」
『う、うん…失礼します…』
言われるがまま乱数くんの隣へと座った
すると乱数くんは初っ端からぎゅっと抱きついてくる
乱数「さっきはごめんね?最後まで見送れなくて」
『いや、全然…!私こそごめんね?お世話になっちゃって…』
乱数「いいんだってば!やっぱりオネェさんはピンクが似合ってるね♪可愛いよ?」
はぁぁ、天使だ……
可愛いは正義だ……
知り合いがいるって安心出来るなぁ……
『ありがとう乱数くん…。えっと、そちらは?』
乱数「あ、僕の友達の幻太郎だよ!」
『あ、お友達…!あの、幻太郎さん…初めまして…!私、名前と申します…その、乱数くんには大変お世話になりまして…』
幻太郎「うん…貴女は今幻を見ている…」
『……………へ?』
幻太郎「小生は、幻の太郎と書いて幻太郎と言います。名前の通り幻を見せることが出来るんですよ」
『………ま、幻…?』
待って…ってことは、今目の前にいる乱数くんも幻?
会いたすぎて幻を見てるの!?
幻太郎さんの言葉に私は困惑した