第5章 新 た な る 職
『ちょ、乱数くん…!?』
乱数「んー、離れたくないなぁ…」
抱きついたまま離れようとしない乱数くん
ちょ、待って待って…周りの視線が痛いから…!
ここ駅前だよ!?しかもシブヤ…!!!
人が多いからすっごい恥ずかしいんだけど…!
恥ずかしさに目を閉じれば、誰かに声を掛けられる
女「あれ?乱数くん?」
その声に乱数くんは私から離れてそちらを向いた
乱数「あ…、オネェさんじゃん♪やっほー!」
女「その人は?」
乱数「ん?最近お友達になったオネェさんだよ?」
女「そう……」
女の人は私をすごい目付きで見てくる
待って、怖いから……
私乱数くんとは何も無いんでそんなに睨まないでくださいよ……てか彼女ですか?
そうだったらごめんなさいって気持ちなんだけど……
あまりの怖さに目を逸らしていれば、女の人は乱数くんの腕に自分の腕を回せば私を再び見た
女「乱数くん、行こう?私乱数くんと遊ぼうと思ってたんだよね〜」
乱数「え、ちょっと待って…今は無理だよ?時間ないし…っ」
女「いいから…行こう…!」
女は私に敵対心を持ったまま半ば無理やり乱数くんを引っ張って行ってしまった
乱数「え、あ、オネェさん…!また後でね!」
『え?あ、うん…!』
女に連れていかれる乱数くんを見送ってから、私は新宿へと向かった
はぁ……女って怖い…
なんであんなに睨まれたの私……
でも、乱数くん可愛いから女の人にも人気だよね…それは分かるけど…彼女っぽくはなかったし…
乱数くん…私に親切にしてくれたのも気分だったのかもしれない
だとしたらもう会うことはないかもなぁ…
そう思うと少し寂しく思うも、しかたないと思いながらキャバクラへと戻った