第5章 新 た な る 職
あれから店を出れば乱数くんはくるりと私の方を向いた
乱数「オネェさん、駅まで送るね♪」
『え?いや、そこまでしてもらわなくても…!来た道戻ればいいだけだし…!』
乱数「えー、なんでそんな事言うの?オネェさんって人に甘えるの下手だよねっ」
『……は!?そ、そんなことは……』
乱数「あ、でもオネェさん可愛いからきっと彼氏居るんだろうし…彼氏以外には甘えないのかな?」
口元に手を当てて考えた素振りで話す乱数くん
勝手に彼氏がいる前提で話されてる…どこを見て彼氏がいるって思ってるんだこの子は…!!!
『ま、待って!彼氏なんていないから…!』
乱数「え!?いないの…!?さっきドレス試着した時、首にキスマークあったからてっきり彼氏がいるのかと思ってた!」
…………ん?キスマーク…?
私そんなの…………はっ、昨日寂雷先生にちゅっぺろされた跡じゃ……って…待てよ?
このキスマーク有りの状態で働くことになるの?嘘だろ……ヤバくない…?
そんなことを考え、顔を真っ青にさせていれば乱数くんに顔を覗き込まれる
乱数「オネェさん大丈夫?それにしても、彼氏居ないのにキスマークなんて…オネェさんってばエッチ♪」
『ち、ちがうの!これは事故!そう、事故だから!』
乱数「えー…まぁ、そうゆうことにしておいてあげる!」
そう言って可愛い笑顔を浮かべれば、私の手を握ったまま駅へと歩き出した
一々手を繋ぐとか可愛い…こんな可愛い子にドレスも選んでもらえてほんと夢なんじゃないかと思う…
都会って顔面偏差値高すぎない…?気の所為?
そんな疑問を抱きながら、乱数くんと他愛の無い話をしながら駅までの道を歩く
数分歩けばあっという間に駅に着いた
乱数「あーあ、もう着いちゃった。もう少しオネェさんと一緒にいたかったなぁ…なんて☆」
そんなこと言われたらキュンとする…!
言われたことないし…照れる…!
待てよ私…平常心平常心……
『乱数くん…ほんとにありがとうね?』
乱数「いいよ、僕も楽しかったし!またデートしようねっ、オネェさん♡」
そう言ってぎゅっと抱きついてくる乱数くんに私の心臓が煩くなる