第5章 新 た な る 職
あれから、何とか大人だと信じてもらえれば店の中に案内された
なにか面接か何かを後日するのかと思っていたものの………
男「名前ちゃん可愛いから採用!」
『え?えぇぇえ!?い、いいんですか!?』
男「いい子そうだし可愛いし、きっとすぐに人気出ると思うよ。それに、上京したばかりでお金も大変でしょ?それなら人気が出れば一晩でパァっと稼げるキャバクラは名前ちゃんにもぴったりだと思うけど」
『は、はい…』
私の事が可愛く見えるとか、ここのキャバクラはブスしかいないんだろうか…
可愛いと言われる違和感に複雑な表情を浮かべてしまったものの、すぐに笑顔に戻る
『あの、不慣れでありますが…よろしくお願いします…!』
男「うん、よろしくね。そうと決まれば今夜からすぐにでも入ってほしいんだけど…その前に衣装が必要だな…」
『衣装、ですか?』
男「うん。ドレスみたいな感じが好ましいんだけど、持ってたりする?」
『えっと、持ってないです…』
持ってるわけが無い…
こんなキラキラした所で働いたことなんてなかったし…
はぁ、ドレス高いのかな……しんどいな…給料日払いにしてほしい…
そんなことを考えていれば、オーナーに声をかけられた
オーナー「名前ちゃん。渋谷にいい店があるんだが…渋谷は行ったことあるかい?」
『え?あ、渋谷はまだないです…!』
オーナー「なら、地図を書くから行ってみたらいいよ。低コストで可愛い衣装が手に入るから、うちの店の子達もそこに行ってるみたいだし」
『そうなんですか!?低コストはとっても嬉しいです…!是非とも今から行ってきます!』
オーナー「やる気があっていいね。よし、じゃあ今から簡単な地図を書くから待ってね」
そう言ってメモにさらさらと簡単に地図を書いてくれるオーナー
オーナーもスタッフさんも皆優しそうで一安心だな……暫くはここでお世話になろうっと。