第5章 新 た な る 職
『あの、ご馳走様でした…美味しかったです!』
寂雷「口に合ったみたいで良かったよ」
あれから寂雷先生と朝食を食べ店の外へと出た
まだちょっとだけ一緒にいたい気もするけど…昨晩一二三くんが言ってた職も気になるしなぁ…名刺も貰ったし行ってみようかな?
そんなことを考えていれば、寂雷先生に声をかけられる
寂雷「この後は何か用事あるのかい?」
『あ、はい…ちょっと職探しに…』
苦笑いを浮かべながらそう伝えると、寂雷先生は少し驚いたような顔をしたがすぐに優しい顔に戻る
寂雷「そうなんだね。なら、邪魔しちゃいけないから私はこれで失礼するよ。あ、それと。何かあったらいつでもおいで」
寂雷先生は病院の名刺を渡してくれた
『あ、ありがとうございます…!何かあった時はお世話になります』
寂雷「いつでもどうぞ。じゃあ、またね」
寂雷先生は綺麗な髪をなびかせながら帰っていった
やっぱり素敵だな…寂雷先生……
そう思いながら歩いていく背中を見送った後、私は一二三くんから貰ったお店の名刺を取り出せばそこへ向かった
ー 数分後 ー
『えっと、ここかな……?』
それっぽい店を見つけぼーっと立ち尽くす
キャバクラとかホストとかって昼間誰もいないイメージあるけど……誰かいるのかな?
なかなか中に入れずにいれば、お店からスタッフのような人が出てきた
はっ…人が…!
こ、声掛けないと…!
ここで声を掛けずにいたらますます中に入れなくなる…!
『あ、あの!!!』
男「ん?何か用かい?」
声をかければ不思議そうな顔をしてこちらを見てくるスタッフさん
いきなり働かせてくださいって言ったら変だから…一二三くんの名前出そうかな…うん、それがいい…系列店って言ってたし…
『え、えっと…伊弉冉一二三さんって人に紹介されて……その…』
男「え、一二三が?ってことは…もしかして、ここで働きたいとか?」
『え!?あ、は、はい!そうです!』
男「んー…働かせたいのは山々なんだけど…未成年の子はちょっとねぇ……」
………ん?未成年?誰が?私が?
え?お前の目は節穴か?
どこが未成年なんだよ…え?嘘だろ?
『あの…私は24歳なんで大人です』