第4章 未 知 の 世 界
あれからタクシーを呼んでもらい、寂雷先生とタクシーへと乗り込んだ
住所を伝えれば夜の街を走るタクシー
数十分を過ぎた頃、あっという間に目的地へと到着した
『寂雷先生、降りれますか?』
寂雷「ん……」
声を掛ければ薄らと目を開いてフラフラとタクシーから降りてくれる
今にも転びそうなくらいフラフラしている寂雷先生を私はそっと支えた
『部屋まで送りますね』
寂雷先生を支えながら私は一二三くんの書いた室号の部屋へと向かう
『えーっと、ここであってるよね…。あ、寂雷先生、鍵あります?』
寂雷「……んん…」
話し掛けても酔いすぎているせいで返事が返ってこない
このままここにいる訳にもいかないし…ちょっと探らせてもらいますか……
そう思いながら私は寂雷先生のポケットを漁った
するとすぐに家の鍵が出てきた
その鍵で中に入れば奥の寝室に寂雷先生を連れて行く
『先生、気をつけてくださいね…って、うわっ…!!』
月明かりで照らされる薄暗い部屋で足元があまり見えない状況に気を付けてと言った瞬間、私は寂雷先生に身体をベッドへ押し飛ばされた
『危なっ…!いきなり押し飛ばさなくても……っ!』
ベッドから起き上がろうとした私の上に、寂雷先生が覆いかぶさってきた
『ちょっ…寂雷先生…!?』
寂雷「お前は綺麗だ…」
その言葉と共に、寂雷先生は私に唇を近付けてくる
やばい、キスされる…!そう思い咄嗟に顔を反らせば、寂雷先生はそのまま私の首筋へと顔を埋めた
寂雷「ん……ちゅ」
首筋から鎖骨へと吸い付かれチクリと痛みが走る
『せ、せんせっ…』
寂雷先生の身体を押しても微動だにしない
やばいやばいっと思いながらこの状況を耐えていれば、首への痛みがなくなった
あれ…痛くなくなった……
でもなんで離れないの…この人……
不思議に思い声かけてみた
『……寂雷先生…?』
寂雷「……………」
寂雷先生を見てみれば、そのままの状態で眠ってしまっていた
ちょっ、この体制で寝られても困る…!!!
めちゃくちゃ重い…!!!
と、とりあえず私の上から退かさないと…
そう思い、私は寂雷先生を押してそのまま横へと寝かせた