第4章 未 知 の 世 界
一二三「ちょっ…!!!寂雷さん…!?!?それはまずいって……!」
この危機の中、お酒を手に戻ってきた一二三くんは慌てて寂雷先生を私から引き剥がしてくれた
一二三「だ、大丈夫かい!?子猫ちゃん!」
『あ、は、はぁ……なんとか……』
寂雷先生は酔ってしまったのか、ソファーの背もたれに寄りかかったままぐったりしてしまっていた
一二三「あらら…寂雷さん伸びきっちゃったね…」
『ごめんなさい…私、寂雷先生がお酒飲んだらこんなになるなんて知らなくて……』
一二三「いや、僕や独歩くんも最初分からなくて飲ましちゃったんだけどね…寂雷さんは飲むと人格が変わるんだ。それで僕らも飲み潰されちゃって…それからは烏龍茶とかを勧めているんだ」
『そうなんだ……私も気をつけます…』
お酒は安易に勧めるものじゃないな…
ぐったりする寂雷先生を見ながらそう思った
一二三「さて、寂雷さんをどうしようかな…こうなると動かないからさ」
『確かに…お店にずっといるのも無理ですし…このままにしておく訳には…』
一二三「子猫ちゃん、寂雷さんのこと送っていける?」
『…………はい?今なんて?』
一二三「だから、寂雷さんを家まで送れる?タクシー呼ぶからさ」
………うん、待って
さっきチューされそうになったばっかりよ?
なのに家まで送れって……いやいや、怖いから!
でもまぁ、美女が相手だったらそう言うことも有り得るけど…私だからないか…
それに私が撒いたタネだし…責任持って送っていくしかないよね…本当は嫌だけど。
そんなことを考えていれば、一二三くんは寂雷先生の家の住所をサラサラと書いて私に渡してきた
一二三「これ、寂雷さんの家の住所だから」
『いや待って、まだ返事してないけど!?』
一二三「今日は僕が奢っておくから、寂雷さんのこと頼んだよ」
そう言ってウインクをかましてくる一二三くん
他人事だと思って……!!!
私はしかたなく寂雷先生を家まで送ることになった