第4章 未 知 の 世 界
一二三「これ、店の名刺だから明日にでも行ってみたらいいよ。きっと即採用してくれると思うよ」
そう言って私にキャバクラと書かれた名刺を渡してきた一二三くん
キャバクラ……
まぁ高収入なのは確かだろうけど…私みたいな奴が勤まるのだろうか……地味だし…
そんな不安を抱きながら一応名刺を受け取った
『ありがとう…一応受け取っておくね?』
一二三「うん。子猫ちゃんなら、きっと大丈夫だよ。だからそんなに不安そうな顔しないで?」
そう言って私の頬をそっと撫でてくる一二三くん
なにこれすっごい恥ずかしい…!
そして一二三くんの事が大好きなお客様の目線がすごく痛いんですけど…!?
私は耐えきれず再び一二三くんと距離を取った
『一二三くん…!そうゆうことは安易にしちゃダメだよ…!』
一二三「もしかして、恥ずかしいのかな?」
『別にそんなこと…!』
一二三「ははっ、可愛いね」
なんなんだ…この二重人格野郎は…!!!
今朝の姿を見てるからすごい今の感じがムカつく…
でも…"きっと大丈夫だよ"って言ってもらえたのは凄く心強かったな…ありがとう一二三くん。
心の中で一二三くんに礼を言えば、再びお店に誰かが入ってきた
入口付近のざわつきに目線をやれば、一二三くんがいきなり立ち上がり入口へと小走りで出迎えに行った
一二三くんも忙しくて大変そうだなぁ……なんて思いながら注いでくれたシャンパンを一口飲んだ
一人でまったりしていればすぐに一二三くんが戻ってきた
一二三「子猫ちゃん、僕の知り合いを紹介させてくれるかな?」
『………は?』
なんで私が一二三くんの知り合いを紹介される流れになった?ちょっと意味がわからないよ?
私の考えなどお構い無しに、一二三くんは知人を紹介してきた
一二三「この人、僕の仲間の神宮寺寂雷さんだ。独歩くんとも知り合いだから、子猫ちゃんにも紹介しておこうと思ってね」
一二三くんの隣に居たのは長髪で高身長の大人の色気溢れるイケメンだった
『…あ、えっと……よろしくお願いします…?』
寂雷「いきなりすまないね」
『あ、いえ……あの、良ければ座ります…?』
一二三くんと話したいだろうし、相席でもいいよね…と思いながら私は寂雷さんの座る位置を用意した