第3章 気 分 転 換
『あ、ごめん…口が滑った』
三郎「今、可愛いって…」
私の言葉に険しい顔をする三郎くん
このくらいの歳の子に可愛いは禁句だったよなぁ…絶対…。可愛いよりかっこいいの方が嬉しい年頃だよね…
なんて考えていれば、二郎が三郎の肩に手を置いた
二郎「良かったな、三郎」
三郎「はぁ!?全然嬉しくないんだけど…!いち兄に言われるならまだしも…!てゆうか、二郎のくせに僕に触らないで!」
二郎の手を振り払いながらムスッとしてしまった三郎くん
……お前、そうゆうとこだぞ…可愛いの
なんて心の中で思うも口に出さないように我慢した
てゆうか、そうゆう二郎も可愛い分類ですから
二人を見ながらちょっと微笑ましくなった
一郎「いきなり三郎の登場で驚いただろう?俺らはイケブクロでは、ちょっとばかし名の知れた三兄弟なんだ」
『三兄弟?あ、そうなんだ…!名の知れた三兄弟ね…私はすごい人たちと知り合ってしまったらしい…』
三郎「いち兄と話せること感謝しろよな」
『………………』
もうなんか一々可愛いからほんとやめて三郎くん…
小生意気だけどそこがまた可愛いってゆうか、心の何かがくすぐられるのよ…!!!
一回でいいからぎゅっとさせてくれないかな…でも嫌がるだろうな……
そんなことを考えながら三郎くんをじーっと見ていれば、三郎くんは不審そうな顔でこちらを見てきた
三郎「………何?」
『いや?何でもない…』
三郎「……言いたいことがあるなら言えばいいじゃん!」
はぁ?言っていいのか?いいんだな?
後悔しても知らねぇぞ?可愛い子ちゃんめ……
『分かった。そこまで聞きたいなら言うね?』
三郎「べ、別に聞きたいわけじゃ…!」
私はそんな可愛すぎる三郎くんの両肩に手を置いた
『三郎くん…すっっっっっっっっっっっごく可愛いから一回だけぎゅーっとさせてもらえないかな?』
三郎「……………はぁぁ!?!?!?」
一郎「おぉ、三郎。名前に仲良くしてもらえて良かったじゃねぇか!」
二郎「初めての友達って奴だな」
三郎「なっ…!?違う…!!!てゆうか…!ぎゅーなんて無理!せっかくぎゅーされるなら…いち兄と…」
一郎「そう言わず、ひとハグさせてやれ!減るもんじゃねぇだろ?」