第3章 気 分 転 換
声と共に部屋に入ってきたのは黄色いパーカーを着た男の子
その子は私を見るなり一瞬ではあるが嫌そうな顔をした
……とりあえず見なかったことにしよう。
一郎「三郎、おかえり」
?「あっ…と、いち兄…この方は誰ですか?」
一郎「あぁ、こいつは名前だ。二郎の奴が財布を落としたみたいで、名前が届けてくれたみたいなんだが…転んじまったらしくてよ。だから手当てするために二郎が連れてきたんだ」
?「じゃあ…いち兄とは関係ないんですね?良かった…」
一郎の言葉にふぅっと一安心する三郎と呼ばれる子
この子は一体……お目目がオッドアイだし、ホクロもあるし…やっぱり兄弟なのかな?
三男だから三郎だよね?ってことは四男もいたりして…
そんなことを考えながら三郎くんを見ていれば一瞬目が合ったがすぐに逸らされる
なんでそんなツンツンしてるの…!
思春期か?思春期なのかな?
まだ若そうだもんね…そうゆう年頃だよね…
そんな中、一郎が口を開いた
一郎「あ、紹介が遅れたが…コイツは三男の三郎だ。良ければ、名前も仲良くしてやってくれ」
『え?あ、うん……。よろしくね?三郎くん』
三郎「まぁ、よろしく」
素っ気なく返され心折れそうになれば、三郎くんが私に近付いてきた
そしてコソッと周りに聞こえないように耳打ちをされる
三郎「あんまりいち兄にまとわりつかないでくださいね?二郎にまとわりつくなら歓迎だけど」
『…………は?』
この子は何を言い出すんだ…
私がなんで一郎にまとわりつかなくちゃいけないの…!?そりゃあ一郎はイケメンだけど、そんなまとわりつくとか…迷惑かけるの嫌いだしそんなこと普通しないでしょ…
って、二郎はいいんかーい!!!
一人でツッコミを入れていれば、三郎くんに変な顔をされる
あぁ、この子はお兄ちゃん大好きなんだ…お兄ちゃん子なんだ…何それ可愛いな…兄弟仲良しとかすごい大好物…三郎くんマジ可愛い…
『三郎くん…可愛い…』
三郎「…え?……は?」
私の咄嗟に出た言葉に拍子抜けをしたように間抜けな声をもらす三郎くん
二郎といい三郎くんといい、イケブクロは可愛い子の聖地なんだね…もっと早く気づきたかった……