第3章 気 分 転 換
?「痛いか?」
『え、あ、はい…そりゃもう…痛いです…』
?「悪ぃな、少し我慢してくれ。すぐ終わらせるから」
そう言って、手早く手当てをしてくれるイケメン兄ちゃん
手慣れているのか、あっという間に手当てが終わった
?「よし、よく頑張った!」
手当てが終わった瞬間、イケメン兄ちゃんは私の頭をわしゃわしゃと撫でてくれた
いきなりのことにびっくりと恥ずかしさに自然と顔が熱くなるのが分かった
『あ、えっと…あ、ありがとうございました…!』
?「いいってことよ!元はといえば二郎の奴が財布を落としたことが原因だしな。あ、そう言えば自己紹介がまだだったな。俺は二郎の兄、山田一郎だ。イケブクロで萬屋をやってる。何かあったらいつでも頼ってくれ」
そう言って眩しいほどの笑顔を振りまくイケメン兄ちゃん…じゃなくて一郎さん
なんだ、めちゃくちゃ優しいしいい人…!!
ビビってた私の時間返せー?まじで
『一郎さんですね…私は苗字名前です』
一郎「名前か、よろしくなっ。それと、一郎さんじゃなくて一郎でいいぜ?堅苦しいのは無しだ」
『じゃ、じゃあ…一郎って呼ばせてもらいます…』
一郎かぁ…なんか呼び捨てって気恥ずかしいなぁ…
ってか、兄ちゃん一郎で次男だから二郎って…なんて平和なんだ…覚えやすくてなお良い…!
すると二郎くんが声を掛けてきた
二郎「あ、あのさ…俺のことも二郎でいいから…!」
『え、そう…?じゃあ二郎って呼ぶね?』
そう言えば嬉しそうな、恥ずかしそうな顔をする二郎
なんでそんなに可愛いの、ほんとに…やめて…
すると、一郎が私の手を見ながら尋ねてきた
一郎「なぁ、この手首の赤い跡はなんだ?手当てしてる時に気になったんだが…」
『え?あ、これは…色々ありまして……』
昨日変な変態男に掴まれた+うさポリ公さんとか言うメガネの人に手錠かけられて引っ張り回されたせいで赤くなってたんだった…
うわぁ、最悪だよ…都会に来て唯一最悪な思い出だよ……
そんなことを考えてれば顔に出ていたのか、一郎は苦笑いを浮かべた