第3章 気 分 転 換
二郎「兄ちゃん、ただいま」
二郎くんと中へと入れば、奥の方から背の高いイケメンが出てきた
?「おう、二郎おかえりって……その子は?」
兄ちゃんと呼ばれる人物は私の方を見ながら不思議そうな顔をした
二郎「あ、えっと……俺が財布落としたの気付かなくて、この人が届けてくれたんだけど…転んじゃってさ…。俺のせいだし、手当しようかなって思って連れてきた」
?「はぁ…二郎。もっと周りを見ろって言ってんだろう…ったく」
二郎「ご、ごめん兄ちゃん…」
お兄ちゃんに注意されてシュンとしてしまう二郎くん
私が家に来なければ財布落としたことバレなかったのにな…なんて思いながら見ていれば、二郎のお兄ちゃんに声を掛けられた
一郎「悪いな、ウチの弟が迷惑かけて。怪我してるみたいだし、上がってくれ。すぐに手当する」
『え、あ、はいっ…ありがとうございます…』
二郎くんを怒ってる姿を見たせいか、つい背筋が伸びる
とりあえず、手当だけしてもらってさっさと帰ろうと思いながら上がらせてもらうことにした
部屋に上がれば、怖そうなイケメン兄ちゃんは救急箱を取り出した
そして私の目の前に来れば座るように促される
一郎「とりあえず座ってくれ」
『あ、はい…座らせていただきます…』
なんでこんな緊張してんの私…
言われた通り座れば二郎くんも少し離れて私の隣に座った
一郎「にしても、派手に転んだな」
『え、あ、は、はい…走っていたもので…』
一郎「傷が残らないといいが…」
そう言って、イケメン兄ちゃんは消毒液を傷口にかけてガーゼでポンポンと消毒してくれる
『っ……』
しみる…非常にしみる………!!!
大人になって転んだことなんてなかったから、この感覚久しぶり…小学生以来かも……
にしてもめっちゃしみる…痛い!!!
消毒液のしみる感覚に涙目になりつつ耐えていれば、それに気付いたイケメン兄ちゃんが手を止めた