第3章 気 分 転 換
『私が勝手に転んだのに…手当なんて…いいの?』
?「もちろん…!俺のせいだし……。それに、このまま何もせずに帰したら兄ちゃんに合わせる顔がないよ…」
後半ボソボソ話していて何を言っているかわからなかったが、とりあえず手当をしてくれるらしい
この際だし、お願いしちゃおうっと
『じゃあお言葉に甘えて、お願いします』
?「うん。俺んちすぐそこだから」
私は軽く頭を下げれば、その子は頷き、私の服の裾を軽く掴めば引っ張るように歩き出した
なぜ服の裾を掴むんだ…それなら手首でいいんだけど…!
さっきも手首掴んだだけで赤面してたけど…女の子に慣れてないのか?
そうだとしたらだいぶ見た目とのギャップ激しいな…まぁ可愛いけど…
そう思いながら相手の後ろ姿を見ていれば、相手から声を掛けてきた
?「俺、山田二郎。お前は?」
『え、あ…私は苗字名前』
二郎「そっか…じゃあ、名前ちゃんって呼んでもいいか…?」
『もちろん、構わないよ?じゃあ私は二郎くんって呼ぼうかな?』
二郎「…うん、好きなように呼んで」
名前を呼べば少し照れくさそうにふいっと顔を逸らす二郎くん
なんなんお前…可愛すぎるけど…?
都会に来て初の可愛い子だよ…君…
なんか今すごく和んでる…
イケブクロ最高かよ……
もう今からでも遅くないからイケブクロに引っ越そうかな
そんなことを考えていれば、前方に萬屋と書かれた建物が見えた
二郎「あそこが家」
『よろずや…?』
二郎「あ、うん。俺の兄ちゃんが経営してるんだ」
『へぇ、そうなんだ…』
お兄ちゃんが居るんだ…
経営してるとかしっかりしてるわ絶対
私とは大違いすぎる……
格の違いに落ち込んでいればあっという間に二郎くんの自宅に到着した