第3章 気 分 転 換
あれから独歩くんの家を出てシンジュク駅まできた
時刻表を見て切符を買えば、私はイケブクロ方面の電車へと乗った
電車を一駅乗ればあっという間にイケブクロへと着いた
『わあ、久しぶりのイケブクロだー!』
私は実家に住んでいた時からイケブクロにはよく来ていた
都会で一番好きなのはイケブクロと言っても過言ではないくらい
って、それならイケブクロに住めば良かったな…
なんでヨコハマを選んでしまったんだろう…私は…
ヨコハマと言う単語を思い浮かべるだけで昨日あった事が脳内に浮かび上がってくる
『うっわ…最悪……』
考えるのやめよう…
今は気分転換…イケブクロを目一杯楽しまなきゃ…!
そう思い私はイケブクロの街へと繰り出した
どこから行こうかな〜…なんてフラフラ周りを見ながら歩いていれば、目の前を歩いていた男の人がポケットから何かを落とした
その人は落としたことにも気付かずにスタスタと前方を歩いていってしまった
私はその人を目で追いつつ、落ちたものを手に取って確認すればそれは財布だった
『えっ、財布!?…こ、これは届けるしかないじゃん…無くなったら困るものベスト3に入る品だよ…!』
そう思い、私は財布を落とした人を慌てて追いかけた
でもどうしたことか…歩くスピードが早くて今にも見失いそうだ
すると、思いが届いたのかその人はたまたま赤だった信号で止まった
今だ……!!!
止まってる間に!!と思い私は全力疾走した
『すみませーーーん!!!財布!!落としましたよっ………て、うわぁぁ!!』
あまりにも慣れない全力疾走をしたことで、足がもつれ点字ブロックの少しの段差で躓き盛大に転んでしまった
痛い…めちゃくちゃ痛い……っ
痛いけど周りの目もとても痛い……!!!
なんで点字ブロックで転んだんだ私は…!
足腰弱いのか?ん?どうした私?
てか見なくてもわかる…これは完全に擦りむいてる…
膝とか腕もやってる…めっちゃジンジンする…!!
もう手足も痛いし、周りの人の視線も痛いしこの場から今すぐ去りたい……!
なんて不運続きなんだと思うと勝手に涙が出てくる…