第15章 山田家にお泊まり
『一郎くん、あの…』
一郎「ん?どうした?」
『……昨日お見舞いに来てた美人な女の人って……彼女とか…?』
一郎「昨日?」
一郎くんは首を傾げて思い返すように考え始める。
すると思い出したのかハッとし、笑いながら口を開いた。
一郎「あの人は以前依頼をくれたお客だ。依頼のお礼がしたいって電話が来たんだが、俺も風邪引いてるからって断ったんだけど、見舞いに来てくれたみたいで……って、なんで知ってんだ?」
『へ?あ、いや…たまたま見たってゆうか…!』
やばい、ストーカーとか思われた…?
ヤバいやつだと思われてるよね?
後先考えずに話すからこんな目に…!
すると一郎くんはクスッと笑った。
一郎「なんだよ、嫉妬でもしてくれたのか?」
『えっ!?あ、いや…そんなことは…!』
一郎「冗談だって。まぁ、本気で嫉妬してくれんなら大歓迎だけどな」
そう言って頭をポンっと撫でてくれる一郎くん。
イケメンだ〜…なんて思いながら見ていれば、いきなり私の携帯が鳴った。
一郎「電話か?」
『あ、ちょっとごめんね…!』
私は一郎くんから離れ、バッグの傍に行けば携帯を取り出して急いで電話に出た。