第15章 山田家にお泊まり
『あ、おはよう…』
目が合えば気まずくなるものの、一応おはよう…なんて挨拶をすれば三郎くんは目を見開いて顔を真っ赤にさせた。
三郎「……!?な、なな、なんで隣で寝てるんだよ…!?」
『えっ?いや、昨日三郎くんがベッド貸してくれるって言うから寝たんだけど……三郎くんは勉強あるって言ってたから…』
三郎「……い、言ってない…!!!」
三郎くんはリンゴのように顔を真っ赤にしながらガバッと起き上がった。
すごい顔真っ赤…これは照れてるのか怒ってるのか…どっちなんだろう。
てゆうか、絶対三郎くんから添い寝してきたよね?
なんで私が怒られてる?なぜ???
自分の置かれている状況に不満を抱きながらも、私も身体を起こす。
『…三郎くんって、実は甘えん坊さんなんだね?』
三郎「は…!?別に甘えん坊じゃない…!仮に甘えん坊だとしてもお前には甘えない!」
『なんでそんなにツンツンしてるの…甘えていいんだよ?お姉さんに甘えて!』
ツンツンされていた事をずっと気にしていたものの、添い寝してきた時点でそのツンツンすら愛おしく感じて私は三郎くんに向かって両手を広げる。
すると三郎くんは驚いたような顔をするものの、一瞬気持ちが揺らいだように見えた。
三郎「…っ、ば、バカ!別に甘えたくなんか…!」
『じゃあ甘えなくていいからぎゅーだけ!』
三郎くんのあまりの可愛さに私は自ら三郎くんをぎゅっと抱きしめた。
三郎「なっ…!や、やめっ…!」
『はぁ…なんかめちゃくちゃ癒される…』
三郎くんの体温が温かくて何だかホッとする。
ハグをするとストレス軽減されるって言うけど…本当なんだなぁ…
三郎くんも最初は抵抗してたものの、諦めたのか大人しくなった。
〜 三郎side 〜
抱きつく身体が密着して何だか恥ずかしい気持ちになる。
別に…好きじゃないのに…
なんでこんなにドキドキするんだろ…
三郎「…………お前なんて……」
嫌いだ…なんて言おうと口を開くも、手が勝手に名前さんの身体を抱きしめようとしてる。
名前さんの身体に触れる寸前で、部屋のドアが開いた。