第14章 山 田 家
一郎「なら泊まっていけよ」
『えっ?いや、それは…迷惑かけちゃうし…』
一郎「お前を危険に晒して返すより泊まってもらったほうが俺も安心だしな」
これで解決だなと満足げな顔をしている一郎くん。
一郎くんは泊まることに賛成しているけど…二郎ちゃんとか三郎くんは嫌がるでしょ絶対……いや、二郎ちゃんは優しいからいいよって言ってくれるかもしれないけど、三郎くんは絶対に否定すると思う…。
『でも…三郎くんとか嫌がるんじゃ…』
一郎「いや、喜ぶだろ」
何を根拠にそんなことが言えるの一郎くん…!
私が三郎くんに嫌われていること知らないのかな?え?
『いや…三郎くんは私のこt』
一郎「二人には俺から言っておくから安心しろ」
いや、人の話聞いてますか…!?!?
……まぁ、泊まるにしてもリビングのソファーで寝かせてもらえばいいか…そうすればみんなに迷惑かけないし…
一郎「とりあえずリビングに行くか」
そう決めれば、私は一郎くんと共にリビングへと向かった。
リビングに来れば、三郎くんと二郎ちゃんがソファーに座ってテレビを見ていた。
そして、三郎くんがこちらに気付き目線を向けてくる。
三郎「お前、いち兄の部屋に居座り過ぎ…って、いち兄!……ゆ、ゆっくり休めましたか…?」
一郎「おう、薬のせいで結局眠っちまった。あと、今日は名前を泊める。俺は風邪引いてて部屋には呼べねぇから二郎か三郎の部屋に布団でも引いて寝せてやってくれ」
一郎くん?私はリビングでいいんだってば…!!!
そんないいのよ…私は…ソファーでいいの…ほんとに。
そんなことを思いながら2人の様子を伺えば、二郎ちゃんは頬を赤くしながらそっぽ向いた。
二郎「俺はちょっと…ムリ…」
三郎「僕だって無理だよ」
…やっぱりこうなるよね?知ってた。
二郎ちゃんに関してはなんで顔が赤いのか…
『私はソファーさえ貸してもらえれば全然…』
一郎「…二郎は無理そうだな…とりあえず三郎の部屋を借りてくれ」
三郎「いち兄…!?なんで!?」
一郎「三郎の部屋は片付いてるからすぐに布団敷けるだろ」
三郎「…だからって…」
三郎くんは心底嫌そうな顔をしながら私を横目で見てくる。
…いや、ごめんて…………